08/05/2026
【2体の仁王像が出迎える谷川寺】
🔸仏と寺を守り続ける金剛力士🔸
当館のある八女福島地区は、江戸時代からの白壁の町並みが残る「伝統的建造物群保存地区」です。
この地区から5キロほど離れ、九州における「梅の三名園」の一つである谷川梅林のほど近くに、緑に囲まれ静かにたたずむ古刹(こさつ)谷川寺(こくせんじ)があります。奈良時代の創建とされるこの寺は、長い年月にわたり、人々の祈りの場となってきました。今回は古代の歴史を肌で感じることができる谷川寺をご紹介します。
🔹民衆救済の願いを今に伝える寺🔹
○北部九州最古級の薬師如来を祭る谷川寺
福岡県八女市を流れる矢部川の南岸、立花町の小高い丘陵上に鎮座している谷川寺。このお寺は、728(神亀5)年に高僧・行基が奈良時代の第45代天皇、聖武天皇の勅令を受けて開いたと伝えられています。この頃の日本は、天然痘や飢饉(ききん)の大流行や大地震などの自然災害や朝廷内での権力争いが激化しており、不安定な情勢でした。そうした動乱の時代に、人々の病や不安を救うために建立されたのが寺院であり、谷川寺もまた民衆の安寧や救済を願い、建てられました。
谷川寺に祭られている本尊は、薬師如来立像で、病を癒やすことだけではなく、現世のさまざまな苦しみや災いから人々を救ってくれる存在として多くの信仰を集めてきました。高さ96.5cmのこの立像は、1本のカヤの木から掘り出された一木造りで、左手に病を治す薬を表す薬つぼを持ち、右手は手のひらを正面に向け、ハスの花の上に直立する姿をしています。また、制作時期は平安時代前期とされ、北部九州に現存する薬師如来立像の中でも特に古い立像としても評価されています。
立像の両脇には、月の光を象徴し、優しい慈しみの心で煩悩を浄化するとされる「月光菩薩(がっこうぼさつ)」と、太陽の光を象徴し、病気や苦しみを癒やす力を持つとされる「日光菩薩」の2体の菩薩が控えています。これら立像は、普段目にすることはできませんが、年に数回の大祭の際に、その穏やかな尊顔を拝することができます。
当時の人々の安寧と苦しみからの解放の祈りを受け止めてきた谷川寺と薬師如来。しかしその境内に足を踏み入れる前に、訪れる者を迎え、仏を守り続けてきた存在がいます。世俗と寺院の境界に今なお力強く立ち続ける2体の金剛力士像。その姿に秘められた歴史と再生の物語を、以下のHPで紹介しています。続きはこちらへ。
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