05/06/2026
【星野に残るチンのウバ塚】
🔸筑後の英雄が眠っている?🔸
当館のある八女福島地区は、江戸時代からの白壁の町並みが残る「伝統的建造物群保存地区」です。この地区から東に車を走らせると、星野村を流れる星野川のそばに、積石塚である墳墓がひっそりとたたずんでいます。無数の石を積み上げてつくられたその塚は「チンのウバ塚」と呼ばれています。今回は、今から100年以上前に見つかった「チンのウバ塚」についてご紹介します。
🔹異国の鏡が出土した謎の古墳🔹
○海獣とブドウが描かれた二面の銅鏡
八女市星野村のある一角には、石が無造作に積まれ、まるで崩れた石垣のような見た目をした「チンのウバ塚」という珍しい名前のお墓があります。横幅は約9mで奥行きは約3m、高さ1.5~2mほどのお墓で、積まれている石は片手でも持ち運べそうなほどの大きさです。「チンのウバ塚」の近く、わずか60mほどの近さに星野川が流れているため、川の河原から石を運んでつくられた、と考えられています。
「チンのウバ塚」は1903(明治36)年9月に、地元の人々によって発掘され、その後の調査で平安時代初頭前後(8世紀前半)の築造と推定されています。発掘時には、中国の唐を代表する銅鏡である「海獣葡萄鏡(ぶどうきょう)」が2面と銀製のかんざし1点が出土。「海獣葡萄鏡」は、至る所に「海外の獣」を意味する「海獣」がちりばめられています。実際に、銅鏡の中央には獣型のひもを通す突起である鈕(ちゅう)があり、その周囲には5頭の獣が、さらにその外側にはさまざまな姿形をした鳥や虫が配置されています。また、多産と豊作をもたらし、豊かな実りの象徴としてブドウが描かれています。
出土した2面の内、一つは直径9.9cmほどの白銅でできた鏡で、中国で制作された後日本に伝来した舶載鏡(はくさいきょう)、もう一つは直径12.2cmで中国の鏡を模倣し青銅で制作された仿製鏡(ほうせいきょう)とされています。2面の鏡は東京帝室博物館(現在の東京国立博物館)に四拾圓(えん)(現在の価値で約80万円相当)で買い取られ、現在も所蔵されています。一方、銀製のかんざしは出土後、行方が分からなくなっています。
「チンのウバ塚」から出てきた2種類の出土品。では、この墓に眠っている人物は誰なのでしょうか。「海獣葡萄鏡」に秘められた唐と筑後の英雄との関係性。そしてかんざしが示すもう一つの可能性とは。出土品や伝承から「チンのウバ塚」に埋葬されている人物について、以下のHPで紹介しています。
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