29/08/2025
【新収蔵資料の紹介】通い徳利
市民の方から民具をご寄贈いただきました。ご寄贈いただいたのは通い徳利(貧乏徳利)です。
通い徳利は、酒屋が小売り用に貸し出す陶製の徳利のことで、容量は5合から3升(約5.4ℓ)が一般的であり、中には5升(約9ℓ)も入る大型のものも存在しました。
江戸中期から都市部で使用が本格化し、明治時代以降に農村部まで普及しました。通い徳利が最も多く使われたのは、酒の容器がガラス瓶に代わる大正時代末期までの半世紀ほどでした。当時、酒は酒屋での量り売りが一般的だったので、通い徳利は酒屋と顧客の間を行き来するものでした。
ご寄贈いただいたのは容量5升の大型のもので、飲食店などで使用されたものと思われます。底部近くの側面には、栓の穴も開いており、ここからお酒を出していました。通い徳利は一種の宣伝も兼ねており、器面には久星酒造の屋号(久に点(星))も筆書きされています。
今回ご寄贈いただいた資料は、10月31日(金)までの企画展示「酒と坂戸と人々と」で展示しています。ご寄贈いただけありがとうございました。