18/08/2026
北岡技芳堂
藝術とは、技を究め、芳しい余韻を宿す。
この言葉は、北岡技芳堂の屋号に込められた、祖父・北岡謙の藝術への思いです。
藝術には、確かな「技」がある。
技を磨き、技を究めることで、はじめて生まれる美しさがある。
そして、本当に優れた藝術は、技の巧みさだけではなく、見る人の心に何かを残す。
時を経てもなお感じられる、静かで芳しい余韻。
祖父は、そうした藝術への思いを「技芳堂」という名に託したのだと思います。
その「北岡技芳堂」の屋号を揮毫してくださったのが、彫刻家・平櫛田中翁です。
祖父は生前、田中翁とご縁をいただき、親しくお付き合いをさせていただいていたと聞いております。
今回ご紹介するのは、田中翁が94歳、昭和41年(1966年)に紙に揮毫された「北岡技芳堂」の書です。
私自身は、まだ生まれていない時代のものです。
祖父が結んだご縁と、田中翁からいただいたこの一枚の書を、今は私が受け継いでいます。
また、当店には田中翁が107歳の時に揮毫された書も残されています。
94歳から107歳へ。
その書を見ていると、最後まで藝術と向き合い、技を究め続けた田中翁の生涯を感じます。
一枚の書には、文字そのものの美しさだけではなく、人とのご縁、積み重ねられた歳月、そして先人の想いが宿っています。
祖父が残してくれた「技芳堂」という名と、この大切なご縁を受け継ぎながら、これからも美術と誠実に向き合ってまいります。
藝術とは、技を究め、芳しい余韻を宿す。
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