16/04/2026
●おとめ石に会う
昨年の月イチガクで取り上げたおとめ(御止)石こと来待石。
松江市宍道町から玉湯町で産出する石材で、出雲灯籠をはじめとする石製品に使われています。
その出雲灯籠に福井県で出会いました。
場所は福井県高浜町日引。京都府舞鶴市から県境を超えてすぐの小さな漁村です。
ここは「日引石」と呼ばれた石材産地だった場所で、中世から近代にかけて盛んに石を生産しました。
その石は小浜(小浜市)で加工されて日本海航路の船で日本各地に運ばれました。島根県でも海岸部を中心にしばしば見られ、大田市はどちらかと言えば少ない地域ですが、それでも日引石の石製品が相当数認められます。
そんな石材産地で、日引石(写真左)と来待石(写真右)の灯籠が並んでいました。この神社の狛犬も来待石製でした。灯籠も狛犬も松江で作ったものです。
石材の本場にわざわざ他所の石で作った製品を運んで使っているのです。
この来待石の製品は大正時代のもので、まだ船運が主力だった時代です。船にはバランスを取る重し(バラスト)を兼ねて石材や石製品が積み込まれることがありました。この灯籠も商品とバラストを兼ねて船に積まれたのかも知れません。
島根県では有数の石材産地である大田市に日引石の製品が入っていることも同じ理由が考えられます。運ばれてくるからそれを買って使ったのでしょう。