京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。17日と20日は『柳生二葢笠』(1938)。柳生紋として知られる二蓋の陣笠の由来を語った講談をもとに八尋不二が脚本化した新興キネマお得意の講談時代劇。“娯楽の殿堂”と言われた新興...
17/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。17日と20日は『柳生二葢笠』(1938)。柳生紋として知られる二蓋の陣笠の由来を語った講談をもとに八尋不二が脚本化した新興キネマお得意の講談時代劇。“娯楽の殿堂”と言われた新興キネマがトップスター・市川右太衛門とアイドル俳優・市川男女之助を据えておくる正月映画。 http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

『柳生二葢笠』
1938(昭和13)新興キネマ京都作品/58分・モノクロ
脚本:八尋不二 監督:仁科熊彦 撮影:牧田成正
出演:市川右太衛門(柳生又十郎)、市川男女之助(三代将軍・家光)、松本泰輔(大久保彦左衛門)、荒木忍(柳生但馬守)、嵐徳三郎(松平伊豆守)、光岡龍三郎(一心太助)、川崎猛夫(居酒屋亭主・平吉)、梅村蓉子(女房・お茂)、國友和歌子(娘・お千恵)、千代田勝太郎(将軍近習・加賀爪甚十郎)、舟波邦之介(同・松平紋十郎)、春路謙作(大久保用人・喜内)、市川海老三郎(旗本・藤谷大三郎)、秋葉陽之助(同・山崎保次郎)、小酒井健(同・末永藤兵衛)、嵐寛三郎(同・大辻源左衛門)、若杉柳思(同・宮中軍十郎)、春日井一平(御典医)、大西卓雄(居酒屋小僧・長松)
三代将軍家光は武道専心の余り、毎夜巷での辻斬りを道楽としていた。この乱行に心を痛めた伊豆守と大久保彦左衛門は、将軍御指南番の柳生但馬守を責めた。この但馬守には跡取り息子がいたが余りの豪放無頼さに勘当され、今は行方しれずになっていた。その息子又十郎は、日光山中で人知れず剣の道に励んでいた。臣下の諫言むなしく家光の辻斬りが続いていたある日、彦左衛門邸に剣の修行を終えた又十郎が現れ、父・但馬守との対面を懇願した。それを受けた彦左衛門は、又十郎を起用して家光の道楽を諌める計画を練るが・・・。
仁科熊彦は1924(大正13)年、東亜キネマから『ある城主と兄弟』で監督デビュー。以来、嵐寛プロ、極東映画、新興キネマとチャンバラ映画の職人監督として娯楽時代劇を作り続けた。また彼は当時無名の助監督であった山中貞雄の書いた脚本をいち早くとりあげ、“むっつり右門”、“なりひら小僧”など次々に映画化し好評を博す。本作も仁科による多くの娯楽時代劇の一つで、“娯楽の殿堂”と言われた新興キネマが正月第一週封切り作品として企画したもの。柳生紋として知られる二蓋の陣笠の由来を語った講談をもとに八尋不二が脚本化した新興キネマお得意の講談時代劇。当時新興のトップ俳優だった市川右太衛門が柳生又十郎をのびのびと演じる。

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。16日と19日は『鶯』(1938)。東北の田舎町の警察を舞台に、様々な人が交互に登場し、ユーモラスなエピソードを展開。主人公もなく、劇的なクライマックスもない、またキャメラもアッ...
16/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。16日と19日は『鶯』(1938)。東北の田舎町の警察を舞台に、様々な人が交互に登場し、ユーモラスなエピソードを展開。主人公もなく、劇的なクライマックスもない、またキャメラもアップをひかえて場景的描写に徹したリアリスティックな形式。田舎の農村に人々の古風で温かな生活感情が心に残る佳作。本作は11日と極く短期で製作。このため豊田四郎監督はセットが少ないグランドホテル形式で制作。 http://www.bunpaku.or.jp/exhi_film.html

『鶯』
1938(昭和13)年東京発声作品/71分・モノクロ
製作:重宗和伸 原作:伊藤永之助 脚色:八田尚之 監督:豊田四郎 撮影:小倉金弥 録音:奥津武 音楽:中川栄三 美術:進藤誠吾 装置:角田五郎 照明:馬場春俊
出演:勝見庸太郎(警察署長)、御橋公(人事主任)、伊達信(尺八流し)、鶴丸睦彦(卯之吉)、押本映治(村会議員)、北沢彪(訓導)、藤輪欣司(鶏泥棒)、汐見洋(医師)、霧立のぼる(農家の女)、清川虹子(その母)、堤真佐子(鶯を売る女)、村井キヨ(林檎売り)、文野朋子(ハル)、杉村春子(産婆・八重)、水町庸子(ヨシエ)、藤間房子(キン婆さん)、堀川浪之助(司法主任)、江藤勇(刑事主任)、恩田清次郎(警官)、平陽光(同)、大友純(同)、木浦柴雄(同)、田辺若男(春吉)、原田耕一郎(周旋屋)、榊田敬治(出札係)、東宝東京撮影所、新協劇団、新築地劇団、関東自由契約俳優協会
東北の田舎町の警察に、サーカスに売った養女の捜索願を出しにキン婆さんがやって来た。だが署内はてんやわんやの大騒ぎ。五人も亭主をかえた狂言泥棒の女や、出来心で鶏泥棒をした男、善意から貧農の助産をし、もぐりの産婆として捕まった女など、取り調べの真っ最中だ。あきらめて帰る婆さん。その翌日、一人の娘が禁鳥とは知らず鶯を売りにきた。だが、すぐに放され、娘は生活の糧を失う・・・。
京都・室町出水に生まれた豊田四郎は府立一中を卒業後、脚本家を志し上京、松竹に入社し島津保次郎監督に師事する。豊田は松竹で監督としてデビューするが、トーキー映画をなかなか撮らせてもらえず新天地を求めて東京発声に移籍する。当初は通俗的な娯楽小品を作っていた東京発声だったが、世田谷に撮影所を開設したのを機に文芸作品を主軸に製作方針を転換。豊田は『若い人』(1937)、『泣虫小僧』(1938)と佳作を連発する。それに続くのが本作『鶯』である。豊田監督の前作『冬の宿』が製作期間を大幅に超過したため、本作は11日という極く短期での製作を余儀なくされた。このため豊田監督はセットが少ないグランドホテル形式で本作を企画、新劇人を集めて映画化。東北の田舎町の警察を舞台に、様々な人が交互に登場し、ユーモラスなエピソードを展開する。主人公もなく、劇的なクライマックスもない、また、キャメラもアップをひかえて場景的描写に徹したリアリスティックな形式をとっている。田舎の農村に人々の古風で温かな生活感情が心に残る佳作。豊田監督33歳、15本目の作品。

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。10日と13日は『河内山宗俊』(1936)。希代の悪党・河内山宗俊を、小市民映画的な日常的リアリズムを探求して再構成、町長屋のヤクザ者として等身大に描きなおす。物語の肝心要でもあ...
10/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。10日と13日は『河内山宗俊』(1936)。希代の悪党・河内山宗俊を、小市民映画的な日常的リアリズムを探求して再構成、町長屋のヤクザ者として等身大に描きなおす。物語の肝心要でもある、河内山と金子市之丞というヤクザ者が黙って一肌脱ごうかという純真可憐なマドンナ役に原節子を抜擢。当時16歳の原節子は輝くばかりの初々しい美貌で一躍アイドル女優として注目されるようになる。“髷(マゲ)のある現代劇”という山中作品の評価を実感させる作品。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『河内山宗俊』
1936(昭和11)年日活太秦作品/81分・モノクロ
原作・監督:山中貞雄 脚本:三村伸太郎 監督補:大岩弘明撮影:町井春美 録音:万宝圭介 音楽:西梧郎
出演:[前進座]河原崎長十郎(河内山宗俊)、中村翫右衛門(金子市之丞)、市川扇升(直侍)、山岸しづ江(お静)、助高屋助蔵(丑松)、坂東調右衛門(森田屋清蔵)、市川莚司(健太)、瀬川菊之丞(松江候)、中村門三(家老)、市川笑太郎(せり市の男)、市川楽三郎(森田屋乾児)、沢村幸次郎(同)、市川章次(川人足・藤次)、中村進五郎(がまの油売り)、山崎島二郎(居合抜)、沢村比呂志(香具師)、[日活特別出演]清河荘司(北村大膳)、高勢実乗(茂十郎藤兵衛)、鳥羽陽之助(藤八右衛門)、今成平九郎(用心棒)、宗春太郎(ヒー坊)、原節子(お浪)、衣笠淳子(三千歳)、三好文江(文ちゃん)
情婦の居酒屋でムダ飯を食って暮らす宗俊と、守銭奴の顔役市之丞にとって、お浪はマドンナ的存在である。お浪は甘酒や駄菓子を売って弟・広太郎を養っている健気な娘だ。だが、その弟・広太郎は名前を変えて賭場に出入りしていた。その後、弟の起こした不祥事から、お浪は身を売ることになった。それを知った宗俊と市之丞は、一世一代の大芝居を打つ・・・。
本作は、松林伯圓の講談「天保六花撰」と、河竹黙阿弥の世話物歌舞伎「天衣紛上野初花(くもにまごううえののはつはな)」が原作。鳴滝組の山中貞雄と三村伸太郎は、希代の悪党・河内山宗俊を、小市民映画的な日常的リアリズムを探求して再構成、町長屋のヤクザ者として等身大に描きなおす。本作は前進座がユニット参加しているが、山中監督とは『街の入墨者』(1935)に続き2度目の仕事である。この物語の肝心要でもある、河内山宗俊と金子市之丞というヤクザ者でも黙って一肌脱ごうかという純真可憐なマドンナ役に原節子を抜擢。当時16歳の原節子は演技派揃いの前進座の面々に支えられながら、山中監督の期待通りにマドンナ役をこなし、その輝くばかりの初々しい美貌で一躍アイドル女優として注目されるようになる。長屋の人間模様、人情の機微をユーモラスに描いた本作は、「みずみずしい映像表現」、「現代人の感覚に満ちている」と評された。まさに“髷(マゲ)のある現代劇”という山中作品の評価を実感させる作品。

09/06/2026
『最終楽章 響け!ユーフォニアム』のシリーズ完結作のポスターがアイソメトリックで!ポスターやチラシが博物館に届きましたが、このポスターのグラフィックは、ぜひ大きなポスターでの鑑賞?をおすすめします。遠近法の代わりにボケ味で、それぞれのキャラ...
09/06/2026

『最終楽章 響け!ユーフォニアム』のシリーズ完結作のポスターがアイソメトリックで!
ポスターやチラシが博物館に届きましたが、このポスターのグラフィックは、ぜひ大きなポスターでの鑑賞?をおすすめします。遠近法の代わりにボケ味で、それぞれのキャラに大小の差別なく。吹奏楽部の幾星霜、たくさんの物語、それぞれの物語・・・感性際立ってます、素晴らしいポスター。

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。9日と12日は『伊豆の踊子』(1933)。伊豆の自然に五所監督の叙情的描写が相俟って「川端の初期の短編小説に横溢する詩情の清純な感じがよく表現された映画」(飯島正)と封切り当時か...
09/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。9日と12日は『伊豆の踊子』(1933)。伊豆の自然に五所監督の叙情的描写が相俟って「川端の初期の短編小説に横溢する詩情の清純な感じがよく表現された映画」(飯島正)と封切り当時から高い評価。田中絹代はロケーションの時でも太鼓を背負って天城峠を登り降りして、背中を擦りむくほど演技に打ち込み、ひたむきで可憐な踊子を好演。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『伊豆の踊子』
1933(昭和8)年松竹蒲田作品/123分・モノクロ・サイレント
原作:川端康成 増補・脚色:伏見晁 監督:五所平之助 撮影:小原譲治 助監督:富岡敦雄、蛭川伊勢夫、小坂謙、富永映次郎 撮影補助:秋山和雄、伊藤要造 字幕撮影:日向清光 字幕:志賀友易 舞台装置:金須孝、木村宣郎、秋田良之助 照明:水上周明 現像操作:納所歳巳 衣裳着付:三田村たみ 結髪:篠崎うめか 撮影事務:生田進啓 主題歌:『伊豆の踊子』(作詞:長田幹彦/作曲:中山晋平、町田嘉章/歌手:四家文子、浅草市丸)、『涙の渡り鳥』(作詞:西条八十)
出演:田中絹代(踊子薫)、大日方伝(学生水原)、小林十九二(踊子の兄栄吉)、若水絹子(妻千代子)、高松栄子(母おたつ)、兵藤静江(雇い女百合子)、新井淳(湯川樓主人善兵衛)、竹内良一(息子隆一)、河村黎吉(鉱山技師久保田)、水島亮太郎(村の巡査田村)、武田春郎(虚無僧)、坂本武(遊客服部)、飯田蝶子(芸妓)、花岡菊子(同)、阿部正三郎(温泉宿の客)、青野清(湯川樓の爺喜作)、曽我修(床屋の亭主)、長尾寛(道路の工夫)、松本十九(同)、桂木志郎(町の巡査)、吉田光(村の巡査)、谷麗光(薬売りの男)、仲英之助(村の男)、柳田礼司(同)、高山義郎(船員)、京谷千恵子(宿の女中)、明山静江(同)、小泉泰子(波止場の女)
休暇を利用して伊豆を徒歩で旅する学生、水原は天城街道で旅芸人の一行と道づれになる。共に歩いていく内に彼は旅芸人の踊り子、薫の初々しさに惹かれていく。薫もまた水原の優しさに触れ、二人の間には淡い恋心が芽生える。しかし、旅は下田港で終わり、「次の船で東京に帰る」と、水原が告げると薫は泣き崩れてしまう。
本作は五所監督トーキー第一作『マダムと女房』から約2年後の作品である。アメリカやドイツで、本格的なトーキーの出現から1年足らずの間にサイレント映画が姿を消したのに対し、日本では1936年あたりまで両者は平行して製作された。国産量産トーキー『マダムと女房』によって技術的にも、また資本的にも国内では最も着実にトーキー化を進めていた松竹であったが、配給館の館主の多くがトーキー興行に踏み切れずにいた。これに対し松竹はサイレント映画の製作を続けつつ、サウンド版(音楽のみ)、パートトーキー(部分トーキー)等の形態を導入し暫時的に移行させていった。当初、五所監督は当作のトーキー製作を申し出たが会社側の都合でサイレント作品となった。作品自体は、伊豆の自然に五所監督の叙情的描写が相俟って「川端の初期の短編小説に横溢する詩情の清純な感じがよく表現された映画」(飯島正)と封切り当時から高い評価を受けた。田中絹代はロケーションの時でも太鼓を背負って天城峠を登り降りして、背中を擦りむくほど演技に打ち込み、ひたむきで可憐な踊子を好演した。(キネマ旬報賞第8位)

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。6日は『砂絵呪縛』(1927)。土師清二の同名原作を日活、マキノ、東亜、阪妻プロの4社が競作。本作マキノ版は新鋭の山上伊太郎が脚本化。4社中最も原作に忠実に映画化。月形龍之介=勝...
06/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。6日は『砂絵呪縛』(1927)。土師清二の同名原作を日活、マキノ、東亜、阪妻プロの4社が競作。本作マキノ版は新鋭の山上伊太郎が脚本化。4社中最も原作に忠実に映画化。月形龍之介=勝浦孫之丞がはまり好評を博した。後に妖艶な“化け猫”女優になる鈴木澄子が蛇遣いのお酉を演じている。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『砂絵呪縛』
1927(昭和2)年マキノ御室作品/129分・モノクロ・サイレント
原作:土師清二 脚色:山上伊太郎 監督:金森万象、二川文太郎 撮影:田中十三、石野誠三
出演:月形龍之介(勝浦孫之丞)、市川小文治(鳥羽勘蔵)、鈴木澄子(お酉)、武井龍三(森尾重四郎)、尾上松緑(黒阿弥)、山本礼三郎(米吉)、荒木忍(砂絵師藤兵衛)、児島武彦(間部詮房)、河上君栄(露路)、松浦築枝(千浪)、大国一郎(関仙兵衛)
元禄の世に、柳影組と天目党という二つの対立する秘密結社があった。鳥羽勘蔵を幹部とする柳影組は、六代将軍に紀州綱教を立てようと画策、対する天目党は次代将軍に甲府綱豊をと願っている。やがて、この二つの結社の暗闘は、次第に激しさを増していく・・・。
土師清二による朝日新聞連載の同名小説を原作に、日活、マキノ、東亜、阪妻プロの4社が映画化、競作となった。マキノ版は新鋭の山上伊太郎が脚本化。4社中最も原作に忠実な作品で、阪妻プロ作品の阪東妻三郎=森尾重四郎と、マキノの月形龍之介=勝浦孫之丞が各々のキャラクターにはまり好評を博した。また、後に妖艶な“化け猫”物で活躍する鈴木澄子が蛇遣いのお酉を演じ、当時のトップ女優と言われた日活版のお酉・酒井米子に一歩も引けを取らないと評された。本作は三部構成で公開されたが、第三部はすでに散逸しており、今回上映フィルムは第一部と第二部の総集編となっている。

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。4日と7日は『マダムと女房』(1931)。「フィルムが物を云ふ、恐ろしき科學の力」わが国トーキー映画の先魁作品。伏見晁をギャグアドバイザーとして加えたスマートなシナリオに、新鋭五...
04/06/2026

京都文化博物館フィルムシアター、銀幕推し活/アイドル映画特集。4日と7日は『マダムと女房』(1931)。「フィルムが物を云ふ、恐ろしき科學の力」わが国トーキー映画の先魁作品。伏見晁をギャグアドバイザーとして加えたスマートなシナリオに、新鋭五所平之助を監督に抜擢。軽いユーモアをたたえた蒲田撮影所得意の小市民喜劇に仕上げられた本作は好感をもって迎えられる。弁士の声にかわって、初々しい田中絹代の発する「ねえ、あなた」の声が当時の男性映画ファンにはこたえられず、流行語にもなったという。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『マダムと女房』
1931(昭和6)年松竹蒲田作品/57分・モノクロ
原作・脚色:北村小松 ギャグマン:伏見晁 監督:五所平之助 助監督:富岡敦雄、蛭川伊勢夫 撮影:水谷至宏 撮影助手:星野斉、山田吉男 音響記録:土橋武夫、土橋晴夫 美術意匠:脇田世根一 舞台装置:西玄三、滝沢藤三郎 音響助手:松本辰吉、吉田百人 主題歌作詞:サトウ・ハチロー 主題歌作曲:高階哲夫(「スピード時代」)、島田晴誉(「スピード・ホイ」)
出演:渡辺篤(芝野新作)、田中絹代(その女房)、市村美津子(娘テル子)、伊達里子(隣のマダム)、横尾泥海男(画家)、吉谷久雄(新作の友人)、月田一郎(同)、日守新一(見知らぬ男)、小林十九二(音楽家)、関時男(同)、坂本武(運転手)、井上雪子(隣の少女)
劇作家、芝野新作はモダンな文化住宅に引っ越してきた。芝居の脚本も締め切り間近だというのに、彼の周りは何かと騒々しい。やっとのことで机に向かうと、今度は隣の家からけたたましい音楽が。堪忍袋の緒が切れ、隣家に怒鳴り込む新作。そんな彼を迎えたのは、美しいマダムと楽しげなジャズ演奏だった・・・。
「フィルムが物を云ふ、恐ろしき科學の力」、大正14年、米国製の“発声活動写真”が東京新橋演舞場で初公開されて以来、日本でも発声(トーキー)映画の研究が始まった。先駆けとなったのが皆川芳造で、彼は音声を直接フィルムに記録するミナトーキー方式で、『黎明』(昭和2年、昭和キネマ)、『ふるさと』(昭和5年、日活)等の作品を製作するが、未だ試作的印象を免れなかった。昭和4年、独ウーファが本格的にトーキー化、また、フォックス、ワーナー等米大手は全作トーキー化を宣言、日本の洋画系封切館でもトーキー設備の導入が始まった。その設備に惹かれたのが大阪松竹座の楽士であった土橋武夫である。彼は弟・晴夫とともに私財をなげうってトーキーを研究、昭和5年には松竹撮影所長・城戸四郎に認められ、松竹トーキー第一作の準備が始まった。北村小松のスマートなシナリオに伏見晁をギャグアドバイザーとして加え、監督には新鋭五所平之助が抜擢された。軽いユーモアをたたえた蒲田得意の小市民喜劇に仕上げられた本作は好感をもって迎えられる。弁士の声にかわって、初々しい田中絹代の発する「ねえ、あなた」の声が当時の男性映画ファンにはこたえられず、流行語にもなったという。本作を境に日本のトーキーはその試作期を脱した。(キネマ旬報賞第1位)

住所

中京区高倉通三条上ル東片町623/1
Kyoto-shi, Kyoto
604-8183

営業時間

火曜日 10:00 - 19:30
水曜日 10:00 - 19:30
木曜日 10:00 - 19:30
金曜日 10:00 - 19:30
土曜日 10:00 - 19:30
日曜日 10:00 - 19:30

電話番号

+81752220888

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