京都文化博物館 映像情報室 The Museum of Kyoto, Kyoto Film Archive

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京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。22日は『女と海賊』(1959)。伊藤大輔監督の特撮を駆使した海洋スペクタクル時代劇。風俗考証に甲斐荘楠音、撮影に宮川一夫、美術に西岡善信。大正13年、それまで歌舞伎、講談などの引き写しの域...
02/09/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。22日は『女と海賊』(1959)。伊藤大輔監督の特撮を駆使した海洋スペクタクル時代劇。風俗考証に甲斐荘楠音、撮影に宮川一夫、美術に西岡善信。大正13年、それまで歌舞伎、講談などの引き写しの域をでなかった旧劇映画から、同名映画『女と海賊』で時代の真実を描く映画劇として描く新時代劇映画を起ち上げた伊藤監督、執念のリメイク作品。

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。1日と3日は『反逆児』(1961)。時代映画の巨匠、伊藤大輔監督晩熟期の代表作。群雄割拠の戦国時代、徳川家康の子として武田の大軍をさんざんに打ち破り、若くして武名の誉れ高い三郎信康。割拠する...
01/09/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。1日と3日は『反逆児』(1961)。時代映画の巨匠、伊藤大輔監督晩熟期の代表作。群雄割拠の戦国時代、徳川家康の子として武田の大軍をさんざんに打ち破り、若くして武名の誉れ高い三郎信康。割拠する勢力が政略結婚で結ばれ、野望と保身のためには、わが子の血も辞さない時代、それに真っ向からぶつかる若き信康の純真な人間性、苦悩を悲壮美あふれるタッチで格調高く描く。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『反逆児』
1961(昭和36)年東映京都作品/110分・カラー
製作:大川博 企画:辻野公晴、栄井賢、小川貫也 原作:大佛次郎(「築山殿始末」より) 監督・脚本:伊藤大輔 撮影:坪井誠 照明:和多田弘 録音:中山茂二 美術:桂長四郎 音楽:伊福部昭 編集:宮本信太郎 記録:石田照 装置:木津博 装飾:中岡清 美粧:林政信 結髪:桜井文子 衣裳:三上剛 擬闘:足立怜二郎 進行主任:片岡照七 和楽:望月太朗吉 舞踊振付:藤間勘五郎 装飾考証:高津年晴 衣裳考証:甲斐荘楠音 美術考証:鈴木孝俊 風俗考証:佐多芳郎
出演:中村錦之助(三郎信康)、桜町弘子(花売り娘しの)、岩崎加根子(徳姫)、杉村春子(築山御前)、佐野周二(徳川家康)、月形龍之介(織田信長)、東千代之介(服部半蔵)、進藤英太郎(渋河四郎兵衛)、北沢典子(お初)、安井昌二(天方山城)、河原崎長一郎(小金吾)、河野秋武(針医減敬)、原健策(羽柴秀吉)、三津田健(平岩親吾)、片岡英二郎(久米新四郎)、香川良介(大久保忠世)、明石潮(配井忠次)、風見章子(楓)、松浦築枝(望月)、喜多川千鶴(小侍従)
群雄割拠の戦国時代に、徳川家康の子として生まれ、武名の誉れ高い、三郎信康という若者がいた。だが、今川義元の血をひく母・築山御前と、織田信長の娘であり妻の徳姫との強い反目の狭間で、彼は苦悩の毎日であった。築山御前は、今川が織田に滅ぼされて以来復讐の鬼と化し、ついに信康を抱き込んで武田方に内通。それを知った徳姫は、父信長に謀略を知らせた。かねてから信康の台頭を快く思っていなかった信長は、家康を呼んで断罪始末を命じた。保身の為、信長の厳命に従がった家康は、妻を処刑し、わが子信康に切腹を申しつける・・・。
時代映画の巨匠・伊藤大輔監督晩熟期の代表作。大佛次郎による原作は当初松竹で舞台劇として、尾上松緑の家康を主人公に書き下ろされたが、その企画は流れ、9年後、東映は主人公を若手に変えるという条件で映画化を承諾、中村錦之助の信康を主人公にした『反逆児』が誕生する。群雄割拠の戦国時代、徳川家康の子として武田の大軍をさんざんに打ち破り、若くして武名の誉れ高い三郎信康。織田陣営に一躍名をあげる若き武将を待っていたのは血の相克であった。伊藤監督は、割拠する勢力が政略結婚で結ばれ、野望と保身のためには、わが子の血も辞さない時代、それに真っ向からぶつかる若き信康の純真な人間性、苦悩を悲壮美あふれるタッチで格調高く描く。(キネマ旬報賞第6位)

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。28日と9月2日は『女と海賊』(1959)。伊藤大輔監督の特撮を駆使した海洋スペクタクル時代劇。風俗考証に甲斐荘楠音、撮影に宮川一夫、美術に西岡善信。大正13年、それまで歌舞伎、講談などの引...
28/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。28日と9月2日は『女と海賊』(1959)。伊藤大輔監督の特撮を駆使した海洋スペクタクル時代劇。風俗考証に甲斐荘楠音、撮影に宮川一夫、美術に西岡善信。大正13年、それまで歌舞伎、講談などの引き写しの域をでなかった旧劇映画から、同名映画『女と海賊』で時代の真実を描く映画劇として描く新時代劇映画を起ち上げた伊藤監督、執念のリメイク作品。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『女と海賊』
1959(昭和34)年大映京都作品/90分・モノクロ
製作:永田雅一 企画:辻久一、高椋廸夫 原作・監督:伊藤大輔 脚本:伊藤大輔、八尋不二 撮影:宮川一夫 音楽:伊福部昭 美術:西岡善信 照明:中岡源権 録音:大谷宏 編集:宮田味津三 風俗考証:甲斐庄楠音
出演:長谷川一夫(御崎庄五郎)、京マチ子(綾衣/お糸)、木村功(幸七)、三田登喜子(環)、弓恵子(小金)、毛利郁子(錦)、倉田マユミ(お百)、千葉敏郎(種子島の常)、舟木洋一(お女郎・竹)、小堀阿吉雄(ゴロ丑)、田崎潤(大ノ字の安)、堺駿二(豆太夫)、河津清三郎(川島源次郎)、若杉曜子(太夫)、緑美千子(同)、綾英美子(同)、楠とし子(都)、武田正憲(伊留満兵衛)、伊達三郎(転法利平)、宮坊太郎(法印大八)、寺島貢(中山太一郎)、阿部修(御相撲松)、羅門光三郎(題目の伊三)、浅尾奥山(大脇治右衛門)、神田耕二(左り桝の市)、清水明(印伝の彦)、春日清(大明神の安)、桜井勇(縄手の助)、河田好太郎(海賊)、遠山金四郎(同)、愛原光一(同)
蔵屋敷の勘定方だった庄五郎は、惚れた遊女・綾衣と、彼女と通じていた上役に裏切られ、二人を斬って逃亡、今では海賊の首領となっていた。ある日、彼の船に駆け落ちした幸七とお糸が忍び込んだ。彼女が綾衣に瓜二つだったことから、庄五郎は常になく、お糸を自分のものにしようとする・・・。
大正期の日本映画界、現代劇は新派と新劇が幅をきかせ、時代劇では歌舞伎や大衆演劇の映画版や講談、立川文庫を原作にした作品が大勢を占めていた。そんな草創期の映画界に一石を投じたのが伊藤大輔であった。小山内薫を頼って上京し、松竹の脚本部に入社した伊藤大輔は、初期蒲田作品の大部分を手がけていた。シナリオの執筆に明け暮れる中、彼は従来の新派、歌舞伎、講談のステレオタイプなストーリーに飽きたらなくなり、時代物であるが人間性を直接描いたオリジナルストーリーで“新時代劇”を標榜し、『清水次郎長』(1922)と『女と海賊』(1923)の脚本を世に問うた。それまで旧劇と言われた時代モノはこの後、“時代劇”として新しい展開をみせるようになる。そんな『女と海賊』のリメイク版が本作である。前作では女に裏切られて、女性不信に陥った男が、やっと巡り会った“本当の女”を亡くしてしまうという、かなり悲惨でシリアスな結末だったが、伊藤監督はリメイクにあたり、特撮を駆使した海洋スペクタクルとして再生させるため、八尋不二とともに練り直す。主演は当時大映のトップスターであった長谷川一夫と京マチ子、撮影に宮川一夫、美術に西岡善信、風俗考証に甲斐荘楠音、と大作に相応しい布陣で臨んだ。

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。26日と29日は『下郎の首』(1955)。「飼い主に手を噛まれた犬の話」貧しい環境で育ち無学無筆ながら武士という金看板に憧れ、忠義を貫こうとする下郎の純真と、武士として忠義を重んじるように教...
26/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。26日と29日は『下郎の首』(1955)。「飼い主に手を噛まれた犬の話」貧しい環境で育ち無学無筆ながら武士という金看板に憧れ、忠義を貫こうとする下郎の純真と、武士として忠義を重んじるように教育されながらも保身のため義をないがしろにしてしまう武家の若主人の弱さを対比して描く。クライマックス、主君の言い付けで敵方に書状を届ける下郎。敵方がそれを読み上げる「下郎訥平を如何様にも処分してかまわぬ・・・」そして下郎は敵武士に嬲り殺しにされる。忠義という金科玉条に踏みにじられる人間性を残酷なまでの生々しさで描いた傑作。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『下郎の首』
1955(昭和30)新東宝作品/96分・モノクロ
製作:津田勝二 脚本・監督:伊藤大輔 撮影:平野好美 照明:佐藤快哉 録音:根岸寿夫 美術:松山崇 音楽:深井史郎 助監督:山田達雄 編集:宮田味津三
出演:田崎潤(下郎訥平)、片山明彦(結城新太郎)、瑳峨三智子(お市)、小沢栄(須藤厳雪)、岡譲司(その門弟・溝呂木)、三井弘次(小屋者・躄勝)、高田稔(新太郎の父・新兵衛)、舟橋元(千石)、横山運平(ゆとうや主人・嘉十)、鳥羽陽之助(丹羽)、浦辺粂子(雇婆・お角)、丹波哲郎(石谷)、沢村昌之助(若党・源吾)、山本豊三(厳雪の息子・静馬)、武田正憲(小屋番・弥陀七)、高堂国典(旅人・梅里軒)、倉橋宏明(手代・六助)、広瀬康治(旅人・重兵衛)、小森敏(一文字屋の番頭・彦六)、築地博(百姓・豊作)、高松政雄(厳雪門弟・片品)
湯治中の結城新兵衛は、碁の席上、言葉の行き違いから相手の浪人に殺された。浪人は顔に九つの黒子があり、指のない男だった。新兵衛の息子の新太郎と奴の訥平は、それを頼りに仇討に旅に出た。時は流れ、新太郎は病に伏していたが、訥平は忠勤を励み、槍踊りをして投げ銭を稼ぐ日々を送っていた。そんな中、訥平はお市という女と知りあう・・・。
武家の奉公人である下郎は百姓、町人出身者が多く、武士階級に憧れ、その端くれとして主君に奉公していた。このことから往々にして武士でないのに武士以上に武士らしく振る舞おうとしたり、そのことを主君に逆手にとられ利用されるという悲喜劇も起こった。伊藤監督はこの武家に生まれなかった者が武士になろうとする悲劇に着目し、1927(昭和2)年に講談の「無筆の使者」を下敷きに『下郎』を製作。当時、『忠次旅日記』に劣らぬ名作と評された。本作はそのリメイク版。「飼い主に手を噛まれた犬の話」と称される本作は、貧しい環境で育ち無学無筆ながら“武士”という金看板に憧れ、忠義を貫こうとする下郎の純真と、武士として忠義を重んじるように教育されながらも保身のため義をないがしろにしてしまう武家の若主人の弱さを対比して描く。本作のクライマックス、主君の言い付けで敵方に書状を届ける下郎。敵方がそれを読み上げる、「下郎訥平を如何様にも処分してかまわぬ・・・」。にわかに信じることが出来ずに狼狽える下郎を武士達はなぶり殺しにする。改心して駆けつける若主君に容赦無くあびせられる卑怯者、武道の恥という嘲罵。封建社会が掲げる忠義という金科玉条に踏みにじられる人間性を残酷なまでの生々しさで描いた傑作。

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。25日は『大江戸五人男』(1951)。松竹映画30周年記念作品。同じく蒲田から出発した伊藤大輔監督の映画界入り30周年作品。松竹が動員できる映画、歌舞伎、新劇、歌劇界の大物を網羅。侠気の町奴...
25/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。25日は『大江戸五人男』(1951)。松竹映画30周年記念作品。同じく蒲田から出発した伊藤大輔監督の映画界入り30周年作品。松竹が動員できる映画、歌舞伎、新劇、歌劇界の大物を網羅。侠気の町奴・幡随院長兵衛に阪妻を、旗本達の不満を引き受ける旗本奴・水野十郎左衛門に右太衛門を配役。善玉悪玉ではなく、故あって対決を余儀なくされるという構成。歌舞伎、演劇界の大物を迎えるにあたり、旨味を出すため劇中劇を挿入。町奴の侠気と意気、旗本奴の誇りと意地のぶつかり合いから生まれる封建制度下の悲劇を伊藤監督は緻密かつ重厚に演出する。京都の娯楽時代劇の一つの頂点。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。21日は『王将』(1948)。撮影スナップ、伊藤大輔監督得意の題材、阪東妻三郎晩年の代表作。(伊藤大輔文庫より) https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/sc...
21/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。21日は『王将』(1948)。撮影スナップ、伊藤大輔監督得意の題材、阪東妻三郎晩年の代表作。(伊藤大輔文庫より) https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。21日は『王将』(1948)。貧乏長屋の無学無筆な草履職人が、実力だけで因習と伝統に堅め尽くされた棋界を暴れ回る。血を吐くような努力でNo.1を勝ち得た三吉に名人位を、と周囲は立ち上がるが、...
21/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。21日は『王将』(1948)。貧乏長屋の無学無筆な草履職人が、実力だけで因習と伝統に堅め尽くされた棋界を暴れ回る。血を吐くような努力でNo.1を勝ち得た三吉に名人位を、と周囲は立ち上がるが、三吉本人が固辞する。無学な男が将棋界のトップに立つことは将棋界の為にならない、伊藤監督敗残の美学。将棋への崇高な愛。伊藤大輔監督の戦後代表作であり、阪東妻三郎晩年の代表作。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『王将』
1948(昭和23)年大映京都作品/92分・モノクロ
監督・脚本:伊藤大輔 企画:奥田久司 原作:北條秀司 助監督:加藤泰通(泰) 将棋指導:升田幸三八段 撮影:石本秀雄 撮影助手:田中省三 音楽:西梧郎 美術:角井平吉 美術助手:西岡善信 照明:湯川太四郎
出演:阪東妻三郎(坂田三吉)、水戸光子(小春)、三條美紀(玉江)、奈加テル子(少女時代の玉江)、小杉勇(菊岡)、斎藤達雄(大倉)、大友柳太朗(毛利)、滝沢修(関根名人)、三島雅夫(新蔵)、香川良介(小沢七段)、葛木香一(八代)、寺島貢(対島)、近衛良明(中浜)、上田寛(真砂)、葉山富之輔(佐分)、島田照夫(柿花)、玉置一恵(番頭伍兵)、三浦志郎(東西屋)、宮田二郎(金ちゃん)、香住佐代子(お栄)、瀧のぼる(お兼)、羽田修(一木初段)、初山たかし(寅ちゃん)、常盤操子(女将喜代)、仲上小夜子(お夏)、赤木春恵(お峰)
明治の終わり頃、大阪天王寺の通天閣を望む長屋で麻裏草履をこしらえて生計を立てる坂田三吉という男がいた。三度の飯より将棋が好きで、近ごろは稼業をおろそかにするばかりか、大会の参加費のために娘の着物までも質に入れる始末。赤子を背にチンドン屋をしながら家計を支えてきた女房の小春は、堪忍袋の緒が切れて娘を連れ鉄道自殺をはかろうとする。だが、三吉の将棋にかける並々ならぬ情熱に負け、どうせなら日本一の将棋差しを目指せと励ますのだった・・・。
伊藤大輔監督の戦後代表作である本作は、同時に阪東妻三郎晩年の代表作でもある。「将棋は映画にならん」という首脳部に対し、企画の奥田久司と伊藤は何度も脚本を書き直して提出。そのうち阪妻が新国劇の芝居を見て「これはいける」と上部に進言したのが功を奏し、映画化が決定した。原作者、監督、主演者ともに将棋については全くの無知で、駒の並べ方から全て升田幸三八段にお願いしたという。貧乏長屋の無学無筆な草履職人が実力だけで、因習と伝統に堅め尽くされた棋界を暴れ回る。仕事そっちのけで将棋に狂う三吉に青息吐息の生活苦を味わいながらも、「どうせやるなら日本一になれ」と励ます妻と娘。将棋を心から愛し、血を吐くような努力でNo.1を勝ち得た三吉に名人位を、と周囲は立ち上がるが、無学無筆の自分に名人位はふさわしくないと三吉本人が固辞する。終生名人制をとっていた当時は将棋の実力もさることながら、棋界の統率者として社会的地位の向上、経済的な発展をはかる手腕も求められていた。また主演の阪妻の熱演も見所で、その計算された身のこなしや表情だけでなく、芸ににじみ出る愛嬌は独特、伊藤は後に「監督がどうのこうのと言えない追っつかないものを持っているんだね、やっぱり。大きい役者だった」と『王将』での阪妻を述懐した。(キネマ旬報賞第8位)

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。20日と25日は『大江戸五人男』(1951)。松竹映画30周年記念作品。同じく蒲田から出発した伊藤大輔監督の映画界入り30周年作品。松竹が動員できる映画、歌舞伎、新劇、歌劇界の大物を網羅。侠...
20/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。20日と25日は『大江戸五人男』(1951)。松竹映画30周年記念作品。同じく蒲田から出発した伊藤大輔監督の映画界入り30周年作品。松竹が動員できる映画、歌舞伎、新劇、歌劇界の大物を網羅。侠気の町奴・幡随院長兵衛に阪妻を、旗本達の不満を引き受ける旗本奴・水野十郎左衛門に右太衛門を配役。善玉悪玉ではなく、故あって対決を余儀なくされるという構成。歌舞伎、演劇界の大物を迎えるにあたり、旨味を出すため劇中劇を挿入。町奴の侠気と意気、旗本奴の誇りと意地のぶつかり合いから生まれる封建制度下の悲劇を伊藤監督は緻密かつ重厚に演出する。京都の娯楽時代劇の一つの頂点。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『大江戸五人男』
1951(昭和26)年松竹京都作品/132分・モノクロ
総指揮:大谷隆三 製作:月森仙之助 構成:火口会同人 監督:伊藤大輔 脚本:八尋不二、柳川眞一、依田義賢 撮影:石本秀雄 照明:寺田重雄 録音:福安雅春 美術:角井平吉 編集:宮田味津三 音楽:深井史郎 時代考証:甲斐荘楠音 茶事指導:井口海仙 衣裳:中村つま
出演:阪東妻三郎(幡随院長兵衛)、市川右太衛門(水野十郎左衛門)、山田五十鈴(長兵衛の妻・お兼)、高峰三枝子(腰元・おきぬ)、月形龍之介(魚屋宗五郎)、高橋貞二(白井権八)、高田浩吉(高見沢備中守)、河原崎権三郎(水木あやめ)、小月冴子(妙姫)、花柳小菊(小紫)、進藤英太郎(唐犬権兵衛)、三島雅夫(近藤登之助)、山本礼三郎(大久保彦左衛門)、市川小平太(松平伊豆守)、三井弘次(仏の小平)、大友柳太郎(石谷将監)、海江田譲二(上使・成瀬)、阿部九州男(夢の市郎兵衛)、永田光男(出尻清兵衛)、若杉曜子(召使・はつ)、鮎川十糸子(芸者・かつ)、毛利菊枝(老母・お岸)、小堀明男(放れ駒四郎兵衛)
かつて武勇を謳われ徳川側近を護った旗本も、平穏な時世が続くようになると次第に冷遇され、その不満を乱暴狼籍で晴らすようになった。水野十郎左衛門を頭とする白柄組もそんな旗本のひとつである。町奴の幡随院長兵衛は白柄組の暴挙を取りなしてきたが、それ故「町人の分際で」とにらまれていた。ある日、水野は寵愛する腰元おきぬが家宝の皿を割った為、カッとなり、その場で斬り捨てた。それを知ったおきぬの兄は、長兵衛に事の次第を訴えた。長兵衛たちは、この一件を芝居に仕組んで上演することを思い立つ・・・。
本作は松竹映画30周年記念と銘打って企画されたが、同じく蒲田から出発した伊藤大輔監督にとっても映画界入り30周年の記念すべき作品となった。当時松竹が動員できる映画、歌舞伎、新劇、歌劇界の大物を網羅。各界から参加する俳優を生かすべく京都のシナリオ作家集団・火口会が構成をねり、依田、八尋、柳川が脚本を執筆。侠気に富んだ町奴・幡随院長兵衛を阪妻に、冷遇されている旗本達の不満を一手に引き受ける旗本奴・水野十郎左衛門に右太衛門を配役。単なる善玉悪玉ではなく、故あって対決を余儀なくされるという構成をとる。また、歌舞伎、演劇界の大物を迎えるにあたって、舞台俳優の旨味をストレートに出すため劇中劇を挿入するなどの工夫がなされた。この素材は時代映画の熟達・伊藤大輔に委ねられた。町奴の侠気と意気、旗本奴の誇りと意地のぶつかり合いから生まれる封建制度下の悲劇を伊藤監督は緻密かつ重厚に演出、また心憎いばかりのひねりも随所に加えられ、ついつい時代の中に引き込まれてゆく。全編にそこはかと香る江戸前の情緒は時代劇としての風格を感じさせる。京都で培われた娯楽時代劇の妙味を堪能させてくれる作品。

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。19日と23日は『われ幻の魚を見たり』(1950)。古来より1匹の魚も住まぬ十和田湖に、生涯かけてヒメマスの養殖を成功させた和井内貞行の一代記の映画化。それまでの和井内の伝記とは違い、実際の...
19/08/2026

京都文化博物館フィルムシアター、伊藤大輔監督特集。19日と23日は『われ幻の魚を見たり』(1950)。古来より1匹の魚も住まぬ十和田湖に、生涯かけてヒメマスの養殖を成功させた和井内貞行の一代記の映画化。それまでの和井内の伝記とは違い、実際の足跡に忠実ではないが、伊藤監督に言わせれば「虚構の現実」であり、本作は“創作された伝記”でありながら、同時に“伝記以上の真実”をめざした作品。 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_film/schedule/

『われ幻の魚を見たり』
1950(昭和25)年大映京都作品/106分・モノクロ
企画:辻久一 監督・原作・脚本:伊藤大輔 助監督:渡辺実 撮影:石本秀雄 撮影助手:田中省三 音楽:深井史郎 美術:角井平吉 装置:林米松 装飾:中島小三郎 録音:海原幸夫 録音助手:長岡栄 照明:湯川大四郎 出演:大河内伝次郎(和井内貞行)、小夜福子(妻・カツ子)、青山杉作(父・治郎右衛門)、東山千栄子(母・エツ)、二本柳寛(技師・志木田)、山本礼三郎(伝兵衛十)、三島雅夫(八蔵)、香川良介(叔父・彦市)、片山明彦(長男・貞時)、上田吉二郎(鉱山師・丸仙)、寺島貢(同僚・別府)、南部章三、葉山富之輔、山田智也、大原二郎、横山文彦、生方研二、郷田三郎、堀北幸夫、清水明、小林叶江、国枝世津子
古くから魚類の生息しない、青森県の十和田湖。そこで一人の少年が、病気の母親に一匹の鯉を食べさせようとして、雪の中で遭難する。その捜索隊に加わっていた和井内貞行は、その少年の心に胸を打たれ、地元の迷信深い人々の反対を押しきって、十和田湖に鯉の稚魚を放流する。さらに貞行は鱒の養殖を思い立つが、これが失敗に次ぐ失敗。あげくの果てに、貞行一家は破産寸前になってしまう・・・。
古来より1匹の魚も住まぬ十和田湖に、生涯かけてヒメマスの養殖を成功させた和井内貞行の一代記である。伊藤大輔監督は本作品が完成する12年前、女学校用の国語の教科書で和井内貞行のことを知ってから、直ちに二代目貞行に映画化を打診し快諾を得た。ところが、伊藤監督がこの地方の風俗や習慣に疎かったためにシナリオ協力を依頼した作家が、自分一人でいち早く書き上げたシナリオを、伊藤監督に無断で雑誌に発表してしまった。このシナリオは伊藤監督の怒りを買い、一時は企画中止になってしまった経緯がある。それから10年以上たってもなお、この題材への執念に燃える伊藤監督は、苦心の末、その当時すでに発表されていた、どのシナリオや小説、伝記とも違う別のものを“創作”した。したがって、本作品は和井内貞行の実際の足跡に忠実なものでは決してない。しかしこれは、伊藤監督に言わせれば「虚構の現実」であり、本作は伊藤監督自らが意地にかけて原作・脚本の筆を執った“創作された伝記”でありながら、同時に“伝記以上の真実”をめざしたものでもある。

住所

中京区高倉通三条上ル東片町623/1
Kyoto-shi, Kyoto
604-8183

営業時間

火曜日 10:00 - 19:30
水曜日 10:00 - 19:30
木曜日 10:00 - 19:30
金曜日 10:00 - 19:30
土曜日 10:00 - 19:30
日曜日 10:00 - 19:30

電話番号

+81752220888

アラート

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